PROFILE

1971年、滋賀県生まれ。滋賀県立彦根東高校、東京学芸大学芸術課程書道専攻卒業。二松学舎大学大学院にて文学修士、東京学芸大学大学院にて教育学修士号取得。北京交通大学に語学留学のち、立正大学文学部博士後期満期退学。2020年、総合研究大学院大学にて学術博士取得。現在は佛教大学文学部非常勤講師、四国大学大学院非常勤講師、大阪大学非常勤講師、西安培華学院客員教授、国際日本文化研究センター共同研究員、立命館大学衣笠総合研究機構客員研究員、中国書法家協会(香港)会員を務める。

近代日本書道史の三大家の一人、日下部鳴鶴の故郷彦根で書道を本格的に学び始めました。書道家・書道教育者である父、松宮橘邨の薫陶を受けながら独自の道を歩み始めたのは、高校生の時に廻腕法を学んだことに起因します。

学術的には多方面から書論を研究。加えて、廻腕の源流である中国の書家と切磋琢磨しつつ腕を磨いています。東アジアの廻腕法の継承者としての道、これが伝統派としての私の立ち位置です。また一方で大学時代の石川九楊先生との出会いをきっかけに、新たな芸術としての書の在り方も模索しています。伝統派として、世界各地で活躍する書法家たちと研鑽を重ねながら、近年は長安画派の范炳南老師に師事。書を表象芸術として、画と融合させた新天地を拓かんと、東アジア、ヨーロッパで活動しています。

書を文学としてとらえ、古文を書すという営みを祖先との語らいの中で現実と交差する瞬間の語力の表出としているのも特徴的です。

伝統と実験の両輪の旅は、これからも続きます。乞うご期待ください。