木簡裴将軍詩、『鬼神の涙』
文字が生まれた時、宗教の崩壊を予感して鬼神が哭した故事(『淮南子』)を、顔真卿の裴将軍詩の一節で表現するというコンセプト。
古代木簡的に変容させた裴将軍詩、戦争の讃美歌に、涙の表象として薄い墨滴を多く垂らしました。
重層性のある伝統と実験のコラボの融合は難題です。
構想は悪くないと思っていますが、書法風格、墨色や構成をこれからも工夫していきたいと思います。
(内容)
臨北荒 恆赫耀英材 劒舞躍遊雷 隨風縈且廻 登高望
北方の荒れ果てた土地で優れた才能を耀かし、その剣舞は雷を起こし風に身を任せるように華麗である。高きに登り雪をかぶった険しい天山を望む